レッツ・ホール・ハンズ第7回勉強会 開催報告
増田法律事務所の町田愛実弁護士をお迎えし、「刑事弁護と福祉」というテーマで研修、意見交換を行いました。
【参加者の感想➀】
福祉と司法の連携と聞くと、受刑者の社会復帰支援(出口支援)や執行猶予等により刑務所で服役しない人への支援(入口支援)が思いつきますが、実際に司法の現場で何が行われているのか、その手続きに触れる機会はあまりありません。町田弁護士は、刑事手続の逮捕から起訴、そして判決までを分かりやすく丁寧に説明してくださいました。
被疑者が逮捕されると、通常その身柄が拘束されますが、人権擁護の観点から身体拘束が長期化しないよう、留置や勾留期間が厳密に法律で定められておりました。特に印象深かった点は、弁護人は裁判だけに限らず、勾留期間中にも検察官や裁判官にアプローチして勾留の必要性を問うなど、被疑者の人権を守る活動をされているとのことでした。
令和7年6月から、新たな刑法がスタートしています。「懲役」と「禁錮」が廃止され、新たに「拘禁刑」が創設されました。入所から出所まで、個々の受刑者の特性をきめ細やかに把握しつつ、特性に応じた働きかけを行うという再犯防止を目的とした福祉的なアプローチが、刑事施設の場においても行われることになりました。実際、町田弁護士も被疑者の多くに何らかの福祉的ニーズがあることを感じておられました。入口、出口の支援だけでなく、入所中から個々の課題に合わせたプログラムを展開していくためには、今まで以上に司法と福祉の連携が重要になってくると感じています。
レッツ・ホールド・ハンズは回を重ねるごとに参加者が増えてきています。毎回欠かさず参加している方もいれば今回初めて参加された方もいて、多職種のつながりを実感しています。このつながりをより強く、より大きくしていけたら、より良い実践につながると感じています。今後もぜひ多くの方にご参加いただきたいと思います。
(文責:中島 悠太)
【参加者の感想➁】
人ひとりの身柄を強制的に拘束する以上、捜査機関へはとても厳しい時間的制約が課されているところ、さらに、少しでも早く、その拘束から解放するために活動する弁護士も、同じくその時間的制約に縛られるため、実はバタバタしているというお話は、弁護活動を身近に感じられるエピソードでした。
また、なかなか福祉的視点を持ってもらえないのは、司法試験には福祉に関する知識を問う科目はないから、と聞いたときは妙に納得しました。餅は餅屋。司法の専門家に恥ずかしくない福祉の専門家であるよう頑張らなければならない、と感じた勉強会でした。
美味しい食事を囲んだ交流会でも、様々な分野の色々な話を聞くことができ、有意義な時間を過ごすことができました。
(会員:富田 瞳)
次回のレッツホールドハンズは令和7年10月25日(土)16:00~つなごうゲストは空き家問題を専門にされている行政書士の廣兼喜久恵先生です。

